東京都町田市忠生(ただお)エリアで活動してきた、500年先のcommonを考えるプロジェクト「YATO」。活動の中心としていた聞き書きのなかでメンバーたちと行き着いたのは、こどもたちに伝えたいという思いでした。地域の人たちへの話をこどもたちに向けて「YATOかわら版」を制作し、忠生地域の小学校で1〜6年生に配布しました。


YATOでは「500年」という時間の尺度をもって考えることを一つのテーマとしているので、紙のかわら版は残らなくても、版木自体は残るのではと考えて、木版で題字や枠を制作しました。版木の一部は、活動の中心地である簗田寺(りょうでんじ)の裏山に1000年生きたハリギリの木(嵐で倒木)を使い、山形県で山伏として活動する坂本大三郎さんに彫っていただきました。また、タイトルや挿絵は、こどもたちに描いてもらいました。


キョロキョロしながら歩くと、いつもは見逃してしまうものに、ひょこっと出会えるかも・・・というコンセプトで、映像作家・波田野州平さんに「わきめをふろう」を連載していただきました。波田野さんが、忠生散策のなかで出会った、くすっと笑えるような写真や絶妙な風景写真が人気でした。


●新聞YATOかわら版全6号
取材・編集:森 若奈
デザイン:Aim Design(根岸篤男)
木版制作:坂本大三郎
挿絵・見出し:やとっ子同盟のこどもたち
連載「わきめをふろう」:波田野州平
発行:2019年9月〜2021年9月

※「やとっ子同盟」とは、アーティストや年長者によるワークショップにこどもたちが参加し、忠生の歴史や文化に出会い、新しい遊びの開発や学びの場。