2018年3月21日春分の日、ウェブマガジン「雛形」の読者イベントとして企画した、サウンド・ワークショップ × 朗読と食事の会「見えない世界」を開催しました。


サウンド・ワークショップ × 朗読と食事の会「見えない世界」
初めてふれる空気、誰かが歩く音、食べものの匂い、口にしたときの甘みや苦み、手のひらに残る肌触り……私たちは自分の体や感覚を通していろいろなことを日々感じています。暮らしを動かす出来事は、そんな生活の中や身体的感覚からだったりするのかもしれません。
春のにおいに包まれる春分の日、見えないものに耳を澄まし、眠っていた感覚をひらく手がかりをさがす、雛形イベント「見えない世界」を開催しました。

【CONTENTS】
<第一部>サウンド・ワークショップ「音の背景に耳を澄ます」

講師:鶴林万平(sonihouse)

聴こえていたはずなのに、聴き流していた音楽の背景に耳を澄ませ、気付かなかった音の奥にひそむ物語を知るー。音そのものを物質のようにとらえて、質感や量感を感じると、音楽は彫刻のように形を成し、その躍動とともに形を変えていく。

音響設計・製作をする「sonihouse」の鶴林万平さんによる、エレクトロニカ、クラッシク、ジャズ、ボサノバなど、あらゆるジャンルと年代を横断した音楽を、目の前に広がる風景のように観察するサウンド・ワークショップ。“scenery”=(風景、背景)と名づけられたスピーカーを通して、音の質感や量感を感じていきます。

いつの時代?どこの国?どんな場所でどのぐらいの広さ?どんな風に演奏している?

普段、メロディーや歌詞、情緒でとらえてしまいがちな音楽の、音の佇まいを感じることによって、視覚や触覚の記憶を通して目に見えないものを再発見していきます。

img_sonihouse

PROFILE/sonihouse(ソニハウス)
「音と空間、聴き手の中に豊かな循環を生む」をコンセプトに活動する。空間における響きの再現について考え抜いた12面体スピーカー“scenery”をはじめとするオリジナル/オーダースピーカーの設計・製作。それぞれの空間と目的に合う最適な音響機器の提案。”scenery”を使ったライブPA。また演奏家と料理人を招いての音と食の家庭的おもてなしイベント「家宴」など、スピーカーを介して人々が集い、音楽に出会う場を作ることを企画・実践。


<第二部>朗読と食事の会「見えないものを食べている」
風景と食設計室 ホー


溢れる食べもの。
枯渇する食べもの。
現れては、消えてゆく。
わたしたちは、日々、何かを食べ続ける。
けれども、目の前のこの食べ物に、二度と出会うことはない。

見えないものが、そこにある。

それは、世界。
それは、わたし自身。


「遠くの風景と、ひとさじのスープ。世界と、わたしの手のひらは、繋がっている。」をコンセプトに、食を風景・文化・社会の切り口から捉え、その時その場所でしか体験できない食のインスタレーションを展開している、「風景と食設計室 ホー」。今回は、“見えないもの”をテーマにした、朗読と食事の会をひらいていただきました。

PROFILE/風景と食設計室 ホー
高岡友美・永森志希乃によるユニット。ランドスケープデザイン事務所勤務を経て、2012年3月より活動。「遠くの風景と、ひとさじのスープ。世界と、わたしの手のひらは、繋がっている。」をコンセプトに、食を風景・文化・社会の切り口から捉え、その時その場所でしか体験できない食のインスタレーションを展開。企業や自治体とのプロジェクトにて、コンセプチャルなフードプレゼンテーション、アートプロジェクト、デザインなど幅広く手がける。2015年より東京/富山の二拠点で、更に広がりのある活動を目指す。


●サウンド・ワークショップ × 朗読と食事の会「見えない世界」
日時:2018年3月21日(祝)
場所:vacant
ゲスト:鶴林万平(sonihouse)、高岡友美・永森志希乃(風景と食設計室 ホー)
リメイク:山本哲也さん(POTTO)
DJ:大森克己(写真家)