石川県・能登半島の一番さきっぽに位置する、日本のさいはての地・珠洲(すず)市で、2017年秋からスタートした「奥能登国際芸術祭」。芸術祭が開催される約1年半前より珠洲へ通い、地域の人との関係性をつくりながら制作したフリーペーパーです。


●『おくノート』1号 特集「珠洲のいろ」
珠洲という清らかな響きの地をはじめて訪れたとき、深く印象に残ったのは色でした。曇りがかったグレーの空。海と空の淡い境界線。柔らかな光を浴びて黒く輝く瓦屋根。珠洲焼の黒灰色から淡い夕日色へ変わるグラデーション。1号目は、そんな色をテーマに珠洲のまちを紹介しました。

『おくノート』3号 特集「里山と里海で生きる」
珠洲市を含む能登半島は、日本ではじめて世界農業遺産「能登の里山里海」に認定された土地。食文化や祭りなどの風習に至るまで、山と海と密接に関わり共に生きてきた人々の暮らしを紹介しました。

写真:志保石薫

『おくノート』3号 特集「祭りのごちそう」
珠洲が1年のうちで最も活気づく、夏から秋。海の彼方から訪れる幸を待ったといういわれのある祭り「キリコ祭り」が、毎日のように各地域で開催されます。そして、祭りとともに行われているのが「ヨバレ」という風習。親戚やお世話になっている人々を自宅に招き、漆塗りのお膳に乗り切れないほどのごちそう「ヨバレごっつぉ」を振る舞います。

写真:志保石薫

『おくノート』4号 特集「海藻天国」
海に囲まれた日本は、日常的に海藻を食べる文化が古くから育まれてきた、世界的に見ても珍しい国。なかでも、1年を通して約30種類もの海藻を食べている珠洲は、まさに海藻天国。珠洲でどんな海藻がどのように親しまれているのか、知恵の詰まったその文化を紐解きました。

●連載
その他に、地元の方々に聞いてつくった、「地域に愛されるローカルフードマップ」や、「ストリートスナップ」なども掲載。


●奥能登国際芸術祭 公式フリーペーパー『おくノート』
デザイン:郡司龍彦
原稿:兵藤育子
編集:森 若奈、堀内 明(アイハイト株式会社)、NON-GRID Inc.
発行所:奥能登国際芸術祭実行委員会
発行:2016年〜2017年7月